はじめに
依存行動を防ぐためには,その「引き金」を避けることが極めて重要です.本記事では,依存症の引き金となる要因を詳しく解説し,自己理解を深めるための手がかりを提供します.
引き金の種類
引き金は主に以下の2種類に分類できます:
- 外的な引き金:周囲の環境が要因となるもの(5W2Hで表現される状況)
- When(いつ)
- Where(何処で)
- Who(誰が(と))
- What(何をしている)
- Why(何故)
- How(どのような)
- How much/How many(いくら/どれくらい)
- 内的な引き金:自身の感情が要因となるもの
- プラス寄りの感情:自信満々,幸福,わくわく等
- マイナス寄りの感情:怒り,不安,ストレス等
筆者の場合
外的引き金:
- 労働後帰宅時
- 職場・外出先
- 職場の人間・店員との接触
- ウインドウショッピングをしている・お酒を飲む状況
- まとまったお金を持っている時
内的引き金:
- 労働のストレス(対人)
- 物価高や増税で満足に買い物が出来なくなる不安や諦め
- 商品への興味
H.A.L.T.:引き金になりやすい危険な状況
H.A.L.T.は,特に依存行動を起こしやすくする4つの危険な状況を表す略語です:
- Hungry(空腹)
- 空腹状態では,集中力が低下し,イライラしやすくなります.その結果,衝動的に依存してしまう可能性が高まります.
- Angry(怒り)
- 怒りを感じている時は,感情のコントロールが難しくなり,依存行動によってその感情を紛らわせようとする場合があります.
- Lonely(孤独)
- 孤独を感じている時は,誰かと繋がりたいという欲求が強くなり,依存することでその欲求を満たそうとする場合があります.
- Tired(疲労)
- 疲労を感じている時は,判断力が低下し,依存行動に陥りやすくなり,健全な方法で対処することが困難になります.
結論
本記事で取り上げた内容は,「引き金」となるものの一部に過ぎません.依存症の克服には,自力での努力に固執せず,医療機関の協力を得て客観的に自身と向き合うことが重要です.自己の「引き金」を理解し,適切に対処することで,依存行動からの解放への第一歩を踏み出すことができるでしょう.