はじめに
本記事は,依存症の治療に当たり,筆者が学んだことをアウトプットしたものです.専門用語の使い方や解釈が専門家と異なる点がある可能性がありますので,ご注意ください.また,医療機関のノウハウやその他他者の情報に関わる部分については詳細を控えさせていただきます.
脳内で起こっていること
以前の投稿で依存症を「脳の誤作動」と表現しました.では,脳内では具体的にどのようなことが起きているのでしょうか?
- 生命維持に必要不可欠なこと(食欲等の根本的欲求)を「快楽」ととらえており,依存行動はこの部分と密接に関係しています.
- 長期間にわたって依存行動を繰り返すと,より強い「快楽」を求めるようになり,依存対象が無くなったときにより強い命令(飢餓感に近いもの)が出されます.
依存症の悪化プロセス
依存行動には,「引き金」「行動」「結果」の3ステップがあり,「結果」をフィードバックして「行動」を悪化させていきます.
- 「引き金」: 文字通り,依存行動をしてしまうきっかけです.
- 「行動」: 依存行動そのもの.筆者の場合は買い物(浪費)行為です.
- 「結果」: 依存行動によって得られる「快楽」.脳は「快楽=良い結果」と誤認し,依存行動をエスカレートさせてしまいます.
「結果」のフィードバックは「行動」の悪化だけでなく,「引き金」の拡大にもつながります.「引き金」の拡大は依存行動の頻度を上げることになります.
依存症の克服方法
依存症を克服するアプローチについて掘り下げていきます.主に使われる手法は心理療法です.
克服のステップは以下の通りです:
- 依存行動をしていることに気づく
- 克服したいという意思を持つ
- 自身の「引き金」を探る
- 「引き金」の対処法を考える
- 対処法を実践する
最初に問題行動を自力で,もしくは他者からの指摘で気づく必要があります.これができないと,そもそも治療を開始できません.
そして,克服したい,悪い状況をどうにかしたいと思わないと治療を受けようとは考えないでしょう.筆者を含め,多くの人は厳しい状況に直面してはじめて克服に向けて動き出します.
注目すべきは「行動」そのものではなく「引き金」です.「引き金」の対処法を把握し,根気強く実践することのみが克服につながるため,茨の道となります.
結論
依存症の克服は決して容易ではありませんが,そのメカニズムを理解し,適切なアプローチを取ることで,回復への道を歩むことができます.自身の経験や学びが,同じ悩みを抱える方々の助けになれば幸いです.