はじめに:ある日の社内教育にて
先日,会社のお偉いさんが意識高い系のセミナーにでも参加されたのでしょうか.突如として「仕事を『志事』に」という社内教育が始まり,正直なところ非常に呆れてしまいました.
メンタルを病んでから,私は定年退職までの期間を皮肉を込めて「懲役」と呼ぶようになりました.サラリーマンを「奴隷」や「経済動物」と表現することもあります.ある書籍では,会社と強制収容所は「出入りの自由」以外は似ているのではないかという考察もありました.
これをきっかけに,「労働」と「労役」の違いについて考えてみることにしました.
「労働」と「労役」の定義を紐解く
共通する要素
両者には以下のような共通点があります:
- 何らかの形で価値を生み出す活動である
- 通常,何らかの対価が発生する
- 人的資源の投入を必要とする
決定的な違い
「労働」の特徴
- 建前上は自発的な選択による
- 多様な形態が存在(肉体労働,知的労働など)
- 社会の生産活動への貢献を目的とする
「労役」の特徴
- 強制性を伴うことが多い
- 特定の目的のための義務的な作業
- 歴史的には支配・被支配の関係性と結びつく
現代社会における「労働」の実態
建前と本音の狭間で
生活のために収入が必要という状況下で,どこまで「自由意志による選択」と言えるのでしょうか.形式的な自由と実質的な強制の境界線は,意外にも曖昧です.
歴史的変遷との比較
古代社会での労役から,現代の「自由な労働」まで,形式は大きく変化しました.しかし,その本質はどれほど変わったのでしょうか.
「志事」という美化について
会社が「仕事」を「志事」と表現しようとする背景には:
- 労働の意味づけの変更を試みる
- モチベーション向上を期待する
- 労働環境の本質的な改善を避ける
という側面が見え隠れします.
まとめ:現代の労働を考える
私は今後も,会社での労働を皮肉を込めて「懲役」や「奴隷」と表現し続けるでしょう.それは単なる揶揄ではなく,現代の労働環境に対する一つの問題提起でもあります.
「働き方改革」や「ワークライフバランス」という言葉が飛び交う中,私たちは本当の意味での「労働の自由」について,より深く考える必要があるのではないでしょうか.
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この記事は,筆者の個人的な経験と考察に基づいています.皆様の職場環境や労働観は,それぞれ異なる可能性があります.